Echo and the bunnymen (英国 1979~ ネオサイケデリック) 鳥の巣頭のネオ・サイケアイドル

想えば最初に自分の音楽観が芽生えたと言える時期に
最も好んで聴いていたバンドがEcho and the bunnymen であったと想う。

他に有るとすれば The Cure が同じいくらいだろうか。

要は広義においてブリティッシュ・ニューウェーヴが僕にとって最初に時代の音楽として感銘し興味を持てた音楽形態であった。

80年代前半~中盤は洋楽文化が日本でもピークに達し1つの音楽サイクルが終わった時代に想う。

私見として。。。大雑把に20世紀前半辺りにアメリカの移民達の間で発生したブルース、ジャズ、カントリー、フォークその他の諸々のルーツミュージックを基盤に50年代辺りにソロで歌い演奏するロカビリー/ロックンロールが勃興し大々的な現代のポピュラー/ロックミュージック文化が始まる。

60年代辺りの ブリティッシュ・インヴェイジョンを中心としたバンド編成のロック/ポピュラーミュージックが台頭し多様化の兆しを見せ70年代前半から中盤でブルースロック/ハードロックを中心とした産業化へと進んで行く。

そして70年代後半から80年代にかけてのディスコ/ダンスブームを中心としたエレクロトサウンドの流行とパンク/ニューウェーヴと言うポストモダンなロック/ ポピュラーミュージックの台頭。

さらにサントラの流行やプロモーションビデオが重要視され音楽のマルチメディア化が顕著になり活性化はマックスに成る。

僕も少年時代にベストヒットUSA やMTVを観てミュージックライフ(後にメタル系雑誌になり全く読まなくなった)を読んでFM雑誌(僕の場合は週刊FMでしたが世間的に一番売れてたのは FM Station かな)を読んで更にロッキンオンも読んでFMで
曲をエアチェック(テープに録音)してた。

そうしたなか日本で紹介されるその時代のロック/ポピュラーミュージックを殆ど総て聴き尽くして来たつもりの僕が最初に最も好んだのがネオ・サイケデリックと言うジャンルだったのです。

一連の20世紀中盤から始まるロック/ポピュラーミュージックの基本は黒人音楽をベースに始まりブルースロックからハードロックやヘヴィメタルへと発展し大衆化して行きます。

それらの音楽も一通り聴きましたが僕にとって最高のロック様式とは成らず定型化した商業音楽として避ける音楽に成りました。

それに対して黒人音楽の影響外に有るカウンターカルチャーの音楽としてパンクロックが70年代後半に登場し良い起爆剤となりましたがパンクロックの持つ反体制的な姿勢やアナーキズムやらは感銘する事も無くそのパンクムーブメントを起点にし後に起こった広義におけるポスト・パンク系の暴力性や肉体性を排したアート志向や耽美志向または捻たポップ志向の音楽が僕の10代辺りには最も最高級のロックミュージックとなった訳です。

で。。前置きが長いもいい処でしたが80年代前半のこの時代に少年として生き自己の音楽観を持って最初に評価したのが広義においてのニューウェーヴの中のポスト・パンク勢の更に中のネオ・サイケと言われるジャンルの
Echo and the bunnymen と言うバンドだった訳ですよ。

実体験で言えば小学生までは世間の流れのままザ・ベストテンや夜のヒットスタジオ(そう言えばEcho and the bunnymen
も出た)とかを観て歌謡曲を楽しんで中学時代にニューロマンティック系を中心に第二期ブリティッシュ・インベイジョン吹き荒れるアメリカチャートから洋楽を楽しむようになる。

Culture club や Duran Duran や The Police やら有名どころは
もちろんチャート40以内のは全部聴き尽くす(チャートはビルボードではなくラジオ & レコーズ)。

FM雑誌やロッキンオンを読み耽りアメリカチャートよりの
報道に流されずU.K.チャートやヨーロッパ諸国にも目を向ける。

そうこうしてるうちにアメリカのガレッジチャートの CMJ や
UK のインディチャートのNME 等がが商業主義的な傾向の少な
い評価出来る音楽が平均的に多いのでこっちが指針となる。

音楽雑誌クロスビートの創刊やらが契機となりミュージックマガジンやレコードコレクターやらの雑誌も購読しTVやチャートは見なくなり時代々々において評価出来る音楽とは何かと自分なりに探訪して行くのがライフワークとなる。

これらが高校生位までの自分の音楽趣味の流れと勝手に振り返るんですけどこの前期に自分の主観で有るとりあえずバンドで(エレクトロ系なども五分に重要)アート志向で暗く完全商業主義には振り切らない音楽として一番良いポジションにいたのがこのEcho and the bunnymen だったのでしょう。

とりあえず時代的にもクラブカルチャー前の時代でバンド編成がしっくりで何か僕は広義においての芸術文化に置いて明るいものより暗いもの楽しいものより哀しいものが好きなデカダンス的な嗜好が形成されちゃいましたので。

逆に明るいのも好きでこの時代だと対極ポジションとして
Aztec camera なんかのネオ・アコースティック系なんかも
網羅して好きで聴いてましたが真剣に深入るならダーク系の
こっちでしたね。

ph201608061あとはミーハーな観点から髪型と服装ですね。

あの特別に引力に逆らった鳥の巣のような黒髪。。

そして髪は爆発してるけど服装は黒系のシャツやカーディガンを纏った上品目な感じのスタイル。

自分はこの頃は将来美容師を生業にするなんて全く想ってませんでしたが髪型に堪らなく魅力感じたんですよね(笑)

なんか更に前置きが続いてますが最初に書いた拙い論評なのですいません。。

結局は少年時代の僕にとって音楽以上に髪型と服装が好きだったところも有るんじゃないかと今は想ってます。

アメリカンロック的な汗臭いワイルドスタイルは嫌だしメタルやハードロックのロン毛エナメルスタイルなんかは嫌だしパンクやハードコアのスパイキーや鋲も嫌だしゴシック系は仮装的過ぎるしで Ian McCulloch の黒系中心の上品目で髪だけ爆発した細身のスタイルが最良だったんですね。

まあ。。今考えても基本的なこの嗜好は残ってるところは
有るんですけどね。。

髪型で似てるとすればと考えると有頂天のケラあたりか?
ちょっと違うな。。
全体を見ると歳上だがポップアートの Andy Warholか?
これも白髪だしちょっと違う。。
そう考えれば日本の90年代前半辺りのビートパンク勢に
髪型の類似が見られるが関連性は無いですね(笑)

で。。やっと本題に。。と想ったんですがこうした前置きの
部分かと想って書いた文こそ本題なのかとの葛藤も浮かんできますので前置きとかは考えないでこれからは書いていくようにとりあえずします。

で。。Echo and the bunnymen の作品を言えば全うなリスナーの論表からいえば1~4作目迄が評価の対象となるのが基本でしょう。(初期シングル Pictures on my wall も有るが)

で。。この4作は音楽的には3作目の Porcupine 辺りからのストリングスの導入を経て4作目の Ocean rain での完結を見るが4作はどれも甲乙付け難いと言えるのではないでしょうか。

まあ。。この4作を聴いてみると。。

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1st. CROCODILES 1980

記念すべきfirstだから音の方は基本バンド構成である。

比較的音数は少なくディレイやエコーが効いている。。

ポスト・パンク勢が基本的にギクシャクしたリズム感にあるに対してネオ・サイケ勢の違いはこの音響重視の方向性だろうか。

しかし鋭角簡素な荒いギターや虚無感はポスト・パンクに通じる。

よくThe Doors や The velvet underground や The Television
等と過去のバンドでは比較されたがこの中で近いのは
The Television だろう。

アート的な雰囲気やボーカル等は The Television がこの3択だと
近い。

まあでも。。この手の音楽ってパンクムーブメント以降じゃなくちゃ無かったんじゃないかな。。

60年代から続くサイケデリック系はドラックミュージック的な側面や土着色を伴うところが大きかったけどこちらは寂寥感や
内省性が軸をなす違うものだ。

シングルとなった rescue は明るめでキャッチャーだが他曲は軒並みバリエーションは有るが暗い。

時々響くコーラスは精霊の如く。。

そんな中このアルバムの中で好きだったのは stars are stars
ですね。

この曲は初期エコバニの中で一番のプロトタイプに聴こえる。。

暗く寒くそして幽玄てきコーラス。。メロディも良いから僕ならこれをシングルにしたいなと。。未だに1st で聴くエコバニの曲っていえばstars are stars だけなんだけどこの曲の話は殆ど聞かないんだよなあ。。

インディーデビュー時の pictures on my wall も再聴したら入ってたから1st から聴いとけば良い感じですねと想いました。

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haven up here 2nd 1981年

風景ジャケットが鮮明に。。

エコバニの中核をなす1st ~4th で端的な違いが有るとしたら
この2nd までが区切りか。。

1st からの延長にあるサウンドだ。。

幾ばくかの洗練をみて暗さと響きが増した感じだ。。

たぶん一般的にこの作品が中核4作で一番暗くコアなファン
以外は人気無いんじゃないかな。。

しかしそれが悪い訳では決してない。。

この作品の曲ではthe promise がシングルとして知られるが
作品中で確かにシングル向きかと想うプロミスの連呼が印象に残るメジャー感も残る唯一の曲か。。

作品全体としての暗さの際立ちは the promise 迄の前半4曲で
発揮され一般的に評価されるのはガリガリのギターが印象の3曲目の OVER THE WALL みたいだか僕はこの作品なら
1曲目の Show Of Strength ですね。

メロディーが良いんですよね。。
暗く寂寥感を伴うサウンドとメロディー。
Show Of Strength の最後のアカペラは更に引き摺り込まれるようだ。。

アルバムは全体的に聴いて暗黒の民族音楽にも聴こえる。。

これは更に深まった音響面と Ian McCulloch の低音ボーカルにもあるが時にトライバルなドラムによるところも大きい。

それが如実に現れたのは8曲目の All My Colours か。。

と言う訳で。。このアルバムで今もたまに聴くのは Show Of
Strength と All My Colours の暗黒コンビネーションです。

しかしタイトルは Haven up here だけど天国なんて感じない
このアイロニックなところは素敵ですね。

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Porcupine 3rd 1983年

これだけ Porcupine (やまあらし)とついた邦題が印象に残る
変化が露骨に見えた作品だ。

1曲目の The cutter の冒頭でそれと解る大胆なストリングスが
導入される。

2nd とは逆にエコバニにしては軽快な曲が前半は続く。。

このストリングス導入が象徴する変化はプロデューサー主導で有り賛否は有るだろうが僕は良いと想う。

フォークやカントリーや一般的なロックなら金太郎飴的な
同じ路線でも良いが2nd までと変わらずでは厳しいと。。

と言うか。。この時代は60年代からの大御所なアナログロックバンドも一同にエレクトロ路線を試し良かったのか分からない時代だ。
その中で耽美的な側面を持つネオ・サイケデリック系のバンド
がストリングス導入に伴うサウンド向上を行うなんて幅を広げる進歩の側面として全うに想える。

暗さ、寒さ、耽美的な3要素を持つバンドが初期2作では
暗さ、寒さが前に出たが3rd で耽美方面が前に出たと言う
真っ当な流れに感じる。。

曲としては1曲目の The cutter と2曲目の Back of love が
先頭連続でシングルにもなり知名度は有るが僕が好きな
のはある意味エコバニ中核時期で最もよく聴いた8曲目の
Higher hell だ。。

全体的にエコバニとしてはダンサブルで軽快に聴こえるこのアルバムで唯一残った暗黒民族サウンドの最終進化ソング。。

これは僕個人の嗜好的なところが大きいが全体的には軽快で
サウンド面の向上も有ろうがインパクト的には薄く
Higher hell だけが妙に訴えるんですよね。

Aメロは軽くも聴こえるがサビは呪文のように響くし
ギターも2nd 迄に顕著なガツガツなポストパンク感と流麗なアルペジオが混ざる。

しかしギターは初期からのガツガツ感は少なくなり官能性が増す方面になってるかと想います。

あとボーカルが下手なんて言う方もいますが Ian McCullochのボーカルは良いと想いますよ。

逆に正当に上手いと言えるボーカルはロックボーカルではつまらない。。

ネオ・サイケデリックの1つのプロトタイプの声は評価します。

まあ。。このアルバムは一般的には2nd 迄より聴きやすく人気は其なりに有りますが僕はこのアルバムから今も聴くのは
Higher hell 1曲ですね。

だけどこの曲も全く評判にならないんだよなあ。。

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Ocean rain 4th 1984年

ジャケットは耽美の極みか。。しかし3rd の寒々ジャケットが一番良かったかなとか。。まあどれも其れなりに良いんですけどね。。

聴くと結局やっぱりマイナー系の音楽性から始まりサウンドが
作品を経て行く中で大衆性が程よく混ざった臨界点がこの
作品だったのかと想う。。

3rd のストリングス導入ダンサブル路線の延長はそのままバラエティーに飛んでいる。

これ以降は真っ当に考えた場合は歌謡曲化していく感じとも言える。。(しかし僕は逆説的な考えでこの先のも楽しいけどね)

冒頭の1曲目の Silver は3rd で提示されたダンサブル軽快路線の
曲だがこの曲がその手の曲で一番アンセミックで印象に残る。

ラララ~のサビが効いてるのかせっかく大衆向きに行くなら
これくらいやってベストじゃないかと想える。。

逆にこのアルバムからの最大と言うかエコバニの一般的な代表曲である6曲目の The killing moon はかなり頑張って創った
大曲であり官能的だ。。

大体一般的チャートで大ヒットする曲なんて良いわけじゃないからね。。

後半のサビで音程や表情を変えて繰り返されるボーカルとそれに絡むギターはジャケットの如く大航海を想わせる
幽玄さがある(ボートだけど)。

そう考えれば7曲目の Seven seas こそエコバニで最大の
大衆向けヒットが可能だったエコバニ流ポップソングと言えるんじゃないかと。。

Seven seas だからこれこそ大航海ですが官能的よりポップソングとしての要素が強い。

ストリングスはバリバリだし確かPVもペンギンが出てきて
印象に残ってる。

今想えばエコバニの曲では売れ線に聴こえるアルバムだか世間は商業歌ものが全盛の最後の時代でこれなら充分に音楽性は高かったんじゃないかと想う。。。

8曲目のMy kingdam なんかはかなり歌謡曲化が見えるかなと
想えるけどね。。

よくU2と比較されて敗者扱いされるけど売れ過ぎると弊害が伴うからベストなホジションだったんじゃないかな。。

U2は初期3作はネオ・サイケとも言えるがその後のアメリカでの大衆化に向かうと共にネオ・サイケとは言えなくなった。。

別にネオ・サイケじゃなくちゃいけない訳じゃ無いが世界的に売れたU2が勝ちかとは言えない。

逆にイギリスでは売れたけどアメリカでは売れないバンドって
平均的に考えたらチャート全盛時代の最良のバンド傾向と僕には想えますしね。。

例えばThe smithsや Ultravox やbauhaus やら。。。

でこの80年代が過ぎたらもうチャートは評価基準には全くならなく成りました。。

最後にこのアルバムから今もI pot で聴く
事が有るのは普通に Silver 当時The killing moon 当時Seven seas のミーハー3曲ですね。
普段聴くには軽さも大事だからね。

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Songs to Learn & Sing
(ダンシング・ホーシズ)
1985年のベスト盤

~それ以降
ocean rain 以降は一般的な評価はガタガタ落ちていく。

ocean rain 後にベストアルバムを出すが唯一新曲シングルの
bring on the dancing horses はエレクトロ化に傾いたがこうすると必ず悪評が出るのが常だ。

でもこの曲はDark wave 上がりの洗練されたポップスとして
優雅でメロディアスで好きですけどね。

売上が成功の要素の1つなら PORCUPINE 以降はその流れからの折衷だし何とも言えない。。

次に セルフタイトルの Echo and the bunnymen (1987) を発表するが Ocean rain が売れ線と芸術性のブレンド臨界点でその先の
作品で軽快化されてく考えるまでもない傾向でしょ。

これはこれでポップスとしてなら楽しく聴けるしその後の
バンドのゴタゴタから分裂して Ian McCulloch の ソロ1st
から2nd 辺りまでがなんとか気にかけてた最後ですね。

Ian McCulloch のソロは更にソフトケッシュされてこれもポップスと考えるなら proud to fall なんて良いですね。

しかし!忘れちゃいけないアシッドハウス~テクノの雄
808 state の gorgeous(1992 ) からの Ian McCullochが唄う Moses は 何だかクールでカッコいい。
Ocean rain 以降の曲でこれが最高じゃないか?

彼らも エレクトロの兆候はあったからEverything But the Girl のようにクラブミュージックにシフトすれば。。

なんて答えは出ない。。

まあ。。これ以降今もやってて評価の向きはあるが僕は
聴いてないしもうそんなに興味が湧かなくなってしまいました。

最後に。。

結局このバンドは少年期の僕が極端に言えば内省的で暗くてアート志向の音楽が一番カッコいいロックミュージックだと
想う上でのゲートウェイとなるバンドで有りましたね。。

最後に彼らの作品で何が良かったかと真面目な観点から言えば
ダークサイドに振った2ndの Haven up here ですね。

真面目に極寒ポスト・パンク追求するなら Show Of Strength、
Over The Wall、All My Colours、Stars are stars,Higher hell
辺りで浸って逝け逝けでポップス折衷で楽しむならSeven seas,
Rescue,Silver,Bring on the dancing horses,lips like sugar 辺りを口ずさめば良いかとね。。

そして微妙にアンタッチャブルなKilling moon 。。

成功とは何なのか。。

スタジアムバンドとなったU2が成功で成らなかったEcho and the bunnymen は駄目だったのか。。

そんな事は無いし分からない。。

この時代の広義においてのポスト・パンク勢で名が知れる今も続いてるバンドの中で成功してると僕が想うとしたら The Fall かな。

何れにしよエコバニは後半の失速感が否めないが80年代前半を飾ったダークサイドアイドルで充分でしょ♪

あと髪型の類似で想い出したのは日本の dip the flag ですね。
どうでもいい事ですけどね。

切りがないので終わります。
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