この(桑の木滝)に関しましては、2009年9月17日~18日の紀伊半島の滝を巡る1泊2日の弾丸旅行の一環として、2日目の午後2時くらいのラストの方に訪れた滝となりましたね。。
想えばこの時の旅行では1日目に酷道425号線の滝群に訪れた後の最後に100選滝となる奈良県の下北山村に落ちる(不動七重の滝)に訪れた後に寂しく車中泊しまして。。
翌日となる2日目の朝一番に同じく奈良県の今度は十津川村に落ちる100選滝の(笹の滝)を訪れまして。。
次に三重県の熊野市に落ちる100選滝となる(布引の滝)を訪れまして。。
その次に100選滝としては和歌山県の新宮市に落ちる、この(桑ノ木の滝)に辿り着いたと言う感じでしたね。。
この時は一気に4滝の100選滝を観れて効率が良かったと想いましたが。。
しかし考えますと、奈良県の十津川村に落ちる(笹の滝)は、十津川支流の滝川上流部の苅安谷に落ちる滝で、十津川は熊野川の上流域となりますし。。
(布引の滝)は熊野川支流の楊枝川の枝谷となる布引谷に落ちる滝となりますし。。
前日に訪れた奈良県の下北山村に落ちる(不動七重の滝)は、北山川の支流となる前鬼川に落ちる滝で、北山川は熊野川の支流となりますし。。
この時に訪れた(桑ノ木の滝)は熊野川の支流となる高田川の支流の桑ノ木渓谷に落ちる滝となりまして。。
総て熊野川系に属する滝となる感じでして、他の100選滝を調べますと。。
奈良県の上北山村に落ちる(中の滝)は、東の川の最上流部のナゴヤ谷に落ちる滝であり北山川の支流となるみたいですから。。
熊野川系には5滝の100選滝が落ちていると言う感じで、これは川としては最多数となるのかと想い、流石に水上の参詣道として世界遺産にも登録されている延長183kmの1級河川だなと想いましたかね。。
それでこの日にまずは。。
(笹の滝)の落ちる十津川村から熊野川沿いを走る紀伊半島南部の山間部の幹線道路となる国道168号線を南下して進み、旧熊野町の中心部辺りで県道780号線で曲がって三和大橋で熊野川の左岸に渡り、楊枝川沿い進んで、(笹の滝)から約70km強で(布引の滝)辺りに着いた感じでしたね。。
そして(布引の滝)を観た後に、(布引の滝)から再び熊野川沿いを走る国道168号線に引き返して更に少し南下して、今度は熊野川の右岸から合流する高田川沿いを走る県道230号線を進み、(布引の滝)から約24kmで(桑ノ木の滝)の遊歩道の入口辺りに着く感じでした。。
ですからこうして振り返りますと、この時は熊野川エリアの滝を観る為に色々と車を走らせた感じでして。。
途中で独特のコバルトブルーな色をした熊野川を観て休憩したりもしながら進んだりしたものでしたかね。。
それでこの辺りの熊野川は和歌山県と三重県の県境に沿って流れているらしくて、和歌山県から三重県の(布引の滝)を観て、また和歌山県に戻って来た感じになりましたが。。
(桑ノ木の滝)と(布引の滝)は100選滝としては車での距離が約24kmくらいと近くて、楽に連続で訪れられそうだと言う感じでしたね。。
それで(桑ノ木の滝)を観た後の計画としましては。。
国道168号線を更に南下して新宮市の市街地の外れに在る熊野速玉大社を訪れて。。
その後の最後に熊野灘沿いを走る国道42号線を経由して、訪れた事は有りますが写真があまり無いので撮ろうと言う考えで、和歌山県の那智勝浦町に落ちる(那智の滝)を、この時の旅行の最終目的地としたのですが。。
(桑ノ木の滝)から熊野速玉大社までは約9km強となり、熊野速玉大社から(那智の滝)までは約20km強の車での距離となり、まあ行けるだろうと言う感じでしたね。。
それでまだ昼過ぎくらいの時刻でしたし、(不動七重の滝)の項目である程度書きましたが、この紀伊半島南部の山間部には多数の魅力的な滝が在ると言う事で。。
この時は比較的に普段着で楽に訪れられる滝をメインにした旅をしたのですが、それに当てはまりつつ他にもう1滝、其れなりに期待できる滝を訪れようと考えていたところ。。
ちょうど(布引の滝)が落ちる下流の楊枝川と、(桑ノ木の滝)が落ちる下流の高田川の間の右岸から同じように熊野川に合流している田長谷に落ちる(鼻白の滝)が在りまして。。
これはすぐに観れる滝だと想い向かいましたね。
それで(鼻白の滝)は、国道168号線を鼻白の滝バス亭とその隣の現在は更地になったらしい(お食事処
はなじろ茶屋)が在る道を曲がって田長谷林道を進み、約900mくらいの処に有る遊歩道入口辺りに車を停めて、歩いて5分くらいで滝の間近に着ける場所に(鼻白の滝)が落ちていると言う事で。。
(布引の滝)からは(桑ノ木の滝)へ向かう道を少し逸れるだけの約15kmの道程と言う事となり、途中写真も撮らず脇目も振らないと言う感じで入口に着いてしまいましたね。。
しかし今考えれば、どうも国道沿いに滝の看板やら滝を冠したバス亭やら茶屋の跡は在るのに、正規の駐車場なんかは無いんだなとか想ったりしましたが。。
遊歩道の入口には小さな滝の看板も有り、前情報で入口近くのカーブ辺りとかの林道脇に適度に駐車スペースは有りそうでしたから、その辺りに車を停めてさっさと(鼻白の滝)に進んで行きましたね。。
こちらの遊歩道は、入口辺りが行きは登りとなりますが、5分で滝直下の左岸辺りに着くと言う事で、もう一気にこの(鼻白の滝)には着いてしまいましたね。。
(鼻白の滝)は下段となる一ノ滝が落差38となり上段となる二ノ滝が45mで、合わせて83mの落差らしいですが。。
一の滝の直下に近付き過ぎなければ、上段の滝の上部は観えましたので、高さの有る段瀑にしては比較的に滝下から全容が観えやすい方なのかと想いましたかね。。
それでこちらは照葉樹林に囲まれた岩場を落ちる滝みたいですが、上段の滝下の岩場の真ん中辺りが馬の背気味に盛り上がっていて向かって左側に水を流し、右側の下部に崩落した岩を堆積させているような感じに観えましたが。。
この滝を含め田長谷渓谷には、熊野酸性火成岩がつくる絶壁、大小の滝が多いと言う話で、この滝は堆積した巨岩がゴロゴロ転がってるのが荒々しく印象に残りましたね。。
滝そのものもかなり豪快で、2段瀑の滝としてかなり印象に残っていますね。。
それで調べますとこの(鼻白の滝)は、江戸時代とかには腹白の滝とか呼ばれていたとからしいですが、どうもこちらの地元の伝承かなにかでこの辺りに鼻の白いウナギが住んでいた事からこの滝名が付いたと言うような事を目にしました。。
しかしなんだか鼻の白いウサギがって話も同じように目にしましたので、ウナギのような気がしたんですが、ウナギなのかウサギなのかよく分からない感じがしましたね。。
まあ僕はそうした伝承やら由来はそんなに関心を持たないので追求はしませんが。。
それはいいとしまして、なんでも遊歩道の入口から林道を更に400mくらい進めば、途中で無名の滝を横切りながら(鼻白の滝)を遠望出来るベンチが置かれた場所有ったり、更に進むと滝の上流から落ち口に辿り着けたりもしたらしいですね。。
なんでも遊歩道の入口の手前の橋からは(鼻白の滝)がチラリと遠望出来たりもしたらしいですし、頑張れば上段の滝下まで行けたりするような話ですが、この滝に関しましては下段の滝下からの眺望を観て巨岩の周りををウロチョロするだけで取り合えず引き返しましたね。。
それでこの(鼻白の滝)は、下段の滝壺なんかは堆積した巨岩で目につかない感じでしたが。。
白根山(標高962m)を源水域とする田長谷の標高約250mに落ちるこの滝は。。
駐車場所から歩いて直ぐと言えるような場所に、この様な豪快な滝風景がひっそりと存在するなんてなかなかのものだとは想いましたね。。
それでこの新宮市辺りのエリアで他に駐車場所からそんなに歩かない距離で観れそうな魅力的な滝としましては、同じ新宮市でも那智勝浦町との境近くに落ち、裏那智とも呼ばれているらしい(宝竜滝) が在り、時間の都合で叶いませんでしたが、こちらも駐車場所から歩いてすぐに観れる滝として、訪れる候補には入れていましたね。。
(宝龍滝)は、下段となる一ノ滝が落差51mで上段となる二ノ滝が54mとなり、合わせて落差105mの2段瀑になるとの話ですが。。
田長谷林道より国道168号線を熊野川上流方面へ約3kmくらい手前に遡った那智勝浦熊野川線となる県道44号線の分岐を20km強進んで林道に入り、その終点から歩いて約5分で滝下に着けるらしいと言う、なにか(鼻白の滝)と印象は違えども類似するところも多い訪れたい滝でしたね。。
直前の林道が通行止めならもう少し歩くかも知れませんが、本来の駐車場所である滝が遠望できるような話ですし、(宝龍滝)が落ちる滝本本谷の枝沢となるガマ谷に落ちる(野の滝 落差40m)なんかも観れると言う事ですしね。。
ただ下段の滝壺周辺から上段が観えないのが残念なところですが、下段の滝壺は巨大な岩盤が抉られたもので下段の滝壺からの風景も良さそうなので、その内に機会が有れば訪れたいとは想いましたね。。
なんだか(宝龍滝)が落ちる限界集落の在る滝本周辺は、宝泉岳(標高836m)や大雲取山(標高966m)が聳え、小口川の源流部となり、隣の那智四十八滝と並び、滝本四十七滝とか呼ばれて滝の多い地域らしいですが。。
まあでも紀伊半島の南部全域が滝の多い地域かとは想いましたね。。
そんな事ですが、とりあえず(鼻白の滝)は、林道がすぐ近くを通っているのは味気ないですが、なかなかの素晴らしい滝だったと言う事で、この地を後にしましたね。。
そしてこの後は(鼻白の滝)から車で約10km強くらいの距離となる(桑ノ木の滝)へ向かう為に車を走らせましたね。。
(鼻白の滝)からまたまた国道168号線に戻り南下して、高田川沿いの県道230号線を曲がり約2kmほど走れば(桑ノ木の滝)の遊歩道入口の辺りに着くと言う事でしたが。。
その間の国道168号線沿いには(白見の滝 落差15m)や、熊野川の対岸には(飛雪の滝 落差30m 幅12m)なんかが落ちていて、車からも眺められたそうで観たのかも知れませんが、今となっては全く覚えていませんね。。
更に(桑ノ木の滝)へ向かう高田川沿いの県道230号線沿いからも(高滝 落差15m 幅4m)なる滝が観られたらしいですが、これも全く覚えていないと。。
ウェブを閲覧すると其れなりの滝には観えましたが。。
考えれば僕は、車道から観れる滝なんかは侮ったり軽視したりして観過ごす事が多々有ったのではと想いましたね。。
まあそれで、紀伊半島の事は(不動七重の滝)とかで書きましたが、特に半島の先となる南部は、降雨量は日本トップクラスであり、深い森林や浸食した深く狭いV字峡谷の蛇行形状を創り出していると言う事で。。
深い山間部なんかは何処も車道を川沿いやらの比較的に平坦な場所に通していくのが常ですから、特別に地形が急峻で水の多いこの地域では、車道沿いに滝が落ちるシチュエーションが多くなるのは当然だと言う事だとは想いましたね。。
それでこの時に僕が脇目も振らずに目指したのは。。
事前情報により、国道168号線から高田川沿いの県道230号線を2kmくらい進めば高田川に(桑ノ木の滝)の看板が有る桑ノ木橋が架かっていて、その手前には向かって右側に相賀というバス停が有り、左側には大前商店が有ると言う場所だったのですが。。
その場所にはすんなりと辿り着いたのですが、どうも(桑ノ木橋を渡った先に駐車場が有るらしいですが、橋が細くて渡るのが苦しいと言う話はよく知らなかったので、たぶん僕は路肩に車を停車させて大前商店の人に。。
((桑ノ木の滝)を観に行きたいのですが、何処に車を停めればよいですか?)
と、聞いたんですよね。。
そうしたらこの時に受け答えをしてくれたのはたぶん年輩のおば様だったと記憶しているのですが、そのおば様は。。
(そこに停めておけば大丈夫だよ。。橋を渡って行けば滝だから行ってらっしゃい。。)
みたいな事を言ってくれたので、僕は100選の滝なのに駐車場とか無いのかなとか想いつつ、桑ノ木橋に歩いて行ったと記憶していますね。。
そうしたら今になって調べて知ったのですが、
どうも(桑ノ木の滝)を含むこの辺り一帯は、2011年9月の台風12号だかによって甚大な被害を受けたらしく、大前商店とかも流されたとかでもう無いらしいですね。。
それでこの時にこの地を訪れて最初に撮った写真は、この桑ノ木橋の渡り口に建つ(桑ノ木の滝)の看板でしたが、こちらの滝の絵看板なんかももう無いらしいと。。
そんな事で、それを今になって知ると、なにかとても感慨深い気持ちになりましたね。。
それでこの時は、滝までは相賀のバス停から桑ノ木橋を渡り遊歩道を歩いて約15分800mの道程だと言う事で、程好い距離だと想いながら呑気に桑ノ木橋を歩いて渡って行きましたが。。
桑ノ木橋を渡った先から県道方面に撮った写真が残っていましたので、橋の先の右に写っている建物が大前商店の裏側なのかと今になって想いましたね。。
そしてどうも写真を観ると、桑ノ木橋は鮎の放流場所でもあったらしいと。。
まあそれで橋を観ると、幅は狭いけれど確かに車で通れるとは想いましたが、まあ折角だから高田川の流れる風景でも観ながら歩きたいし、車を擦ったら馬鹿みたいだしで、やはり無理に通る必要はなかったと今も想いますね。。
しかし2011年の台風12号は紀伊半島南部で特に災害が甚大だったらしいですね。。
この辺りは記録的な豪雨によって河川の氾濫やら土砂災害に見舞われて、道の駅やら家屋なんかも流失し、前述の(白見の滝)なんかは形を変え、こちらの遊歩道沿いも相賀八幡神社なんかは建屋が流され、土砂や流木で凄まじい様相だったらしいですね。。
ですが今振り返りましても、この台風の事は記憶に残っていなかったのですが、調べていくうちに十津川村が災害により孤立したといった話を目にして、あの時の台風かと当時のニュースを想い出しましたね。。
それで被害を受けた序でにこちらの桑ノ木橋は拡幅した橋に付け替えればと一瞬想いましたが、この橋は鉄筋コンクリートみたいな感じで頑丈で流されなかったみたいですかね。。
でもなんだか(桑ノ木の滝)そのものも、そんなに台風の被害とかは受けなかったみたいですが、滝下流に堆積していた苔に被われた大岩なんかは流失してしまったらしいですかね。。
まあそんな事で、僕はある意味この狭い幅員の桑ノ木橋は、お隣の大々的な100選滝である(那智の滝)と違って、ひっそりと俗されずに落ちる(桑ノ木の滝)を象徴するような橋なんだと勝手に想ったりしましたね。。
そして桑ノ木橋を渡った先に遊歩道の入口が有ると想い進んで行きますと。。
先はなんだか墓地になっていまして、向かって右側の墓地の隣が未舗装の駐車スペースのエリアみたいで、その奥に100選滝の冠と共に(桑ノ木の滝)を示す看板なんかが有りましたね。。
しかしなんだか遊歩道の入口は、墓地の裏路地のような雰囲気が漂っていましたね。。
ここでまた僕は記念写真なんかを能天気に撮ったりしていましたが。。
この時は、100選滝なのに正規の駐車場みたいなのは渡るのを躊躇う細い橋の先に有るし、更に滝の駐車場は墓地の駐車場も兼ねているみたいだし、そしてその墓地の裏手に遊歩道が延びているだなんて、渋すぎるにも程があるとか想ったのを覚えていますね。。
なんだかトイレの案内看板なんかも有りましたが、どうもこちらの遊歩道やらとは少しばかり離れた位置に有りそうな感じでしたね。。
それで調べますと、どうもこの辺りには高田川の自然の淵なんかを活かした高田自然プールなるものが第1と第2の2ヶ所に有りまして、第1プールは桑ノ木橋のすぐ下流辺りに有りそうですから、トイレはそのような他の施設との兼用なのかなとか想いましたが。。
高田自然プールでは、第4回ロンドンオリンピックに出場した地元選手である葛尾小秀さんと言う方もこの川で育ったんだと称えられ紹介されているらしいと。。
そんなんで、訪れた時はいつも通りに目的の滝以外の情報は少なくて知りませんでしたが、このような長閑で何も無さそうな場所にも色々と有るんだなと想ったりしましたね。。
しかし何だかこの頃辺りからは、滝を訪れると其れなりに途中の道程やらその他色々と写真を撮る事が多くなってきまして、こちらのコラムの為に再訪する必要がなくなる率が高くなってきて良かったなと想いましたよ。。
まあ結論から言いますと、この(桑ノ木の滝)は其れなりに印象が良かったので、再訪しても良いとは想っているのですが。。
他に訪れなくてはいけない滝が沢山在りますので、写真が多めにに残っていて良かったなとは想いましたね。。
連れなんかは9月と言う事で、遊歩道を歩いてる途中で観かけた彼岸花なんかの写真を撮っていましたね。。
花と言えば(桑ノ木の滝)は、滝下流の岩に咲く岩サツキとかも良かったらしいですから、その岩とかか流されて無くなったのならマイナスだなとは想いましたね。。
まあサツキやツツジは5,6月辺りに咲く花らしいので、この時は観れませんでしたけれどね。。
それで墓地の裏手に延びる遊歩道を歩いて行きましたね。。
遊歩道は苔に覆われた杉林を抜けて(桑ノ木の滝)が落ちる高田川の支流となる桑ノ木谷の左岸沿いを歩いて行く感じになると言う事ですが。。
林は真っ直ぐに伸びる植林が多数を占めている感じでしたかね。。
しかし(桑ノ木の滝)は、その昔に滝の周囲に桑の木がたくさん生えていたことからこの名前が付けられたそうですが。。
どうもこちらの地域は、村中の川辺に桑の木が多く、古くは大木があったことから大桑といったが訛って(おうが)と称えるようになって、最終的に相賀の字を用いるようになったと言う話も目にしましたから。。
この地域の名称そのものに桑ノ木と言うのがかなり影響しているように想えましたかね。。
遊歩道は緩やかで平坦に近く、シンプルに延びているような感じで、桑ノ木谷の流れもかなり穏やかでしたね。。
そんな事で、桑ノ木谷沿いの緩やかな一本道を進んで行きましたが。。
急峻な紀伊半島南端エリアの支流の渓谷にしては、やはりかなり緩やかな渓谷に観えましたね。。
どうも(桑ノ木の滝)は地図なんかを見ますと、
新宮市の南西部にゆったりと裾野を広げ、山頂手前に小笠丸山を従える(笠丸山 標高582m)と稜線を描いているようなカジアゲ峠の間辺りを源水域にしているように見えましたがね。。
それで相賀地区は2005年に新宮市と合併した旧熊野川町に在る地域となりますが。。
新宮市は木材の集積地になり、古くから林業やら木材産業が栄えた林業の基盤を築いてきた地域らしく、このあたり周辺は延々と植林されてきた民有林の人工林率が61%の地域らしいと。。
そして林業衰退の時代になり、地主も山を売りたいやらで未整備森林も増え、急峻な地形が大半を占めるので、事業を効率的に進める為に皆伐による量産体制が取られて造林放棄地が拡大していったらしいと。。
更に最近はシカやイノシシによる獣害が地域全体に拡大して大きな問題となり、生産意欲の低下にさらなる拍車をかけているらしいと。。
そんなんで現在は森林組合を中心に作業道を開設して利用間伐を行う低コスト林業を推進する安定供給体制を整備しているところだと言う話しですが。。
カジアゲ峠とやらも作業道が造られて無くなったと言う話ですし、この辺りの自然環境に影響を及ぼしたりはどうなんでしょうかね。。
まあでもとりあえず僕か唯一訪れたこの2009年9月の時は、鬱蒼とした森林の中に穏やかで綺麗な渓流が流れていましたね。。
それで右手に石垣なんかも観える中を進んで行きますと、相賀八幡神社の横を通る事になりましたね。。
僕は確かこの時は通り過ぎただけだったようで、境内の記憶とかは残っていないのですが。。
入口から向かって左は岩壁が屹立していて、その岩壁が御神体のように観える神社だったらしいですね。。
しかしどうも調べましてもあまり見当たらなくて、ウェブで和歌山県神社庁のページを見ますと。。
祭神は誉田別天皇で本殿は14.4m2の木造銅板葺であり社務所は49m2の木造銅板葺であり境内地228m2の神社で、建て直した現在の2018年度も11月に例祭ったらしいですかね。。
1788年となる天明8年に至りて現在の地に遷座し、1873年となる明治6年4月に村社に列すると記載されているので、その頃からこちらに在ったと言う事なのかと想いましたが。。
こうした事は全く詳しくは無いしでよく分かりませんでしたね。。
それでこちらの神社も2011年の台風で大被害を受けたと言う事ですが、現在は再建されて、社務所が無くなり本殿が小さくなったと言う事らしいですかね。。
しかしそれはそれで慎ましくなったかのような印象で良いって話も有るみたいですが、2009年9月以降のこの地の事は訪れていないので僕には分からないところで、また訪れられたら良いなとは想いましたね。。
そんな事でこの相賀八幡神社を通り過ぎる辺りは渓流沿いから少し離れて杉林の中を歩く感じでしたが。。
そうしたら相賀八幡神社辺りの渓流の対岸にも神社みたいなのが在ったらしく、石段と岩を祀っているような祠のようなものが観えたらしいですかね。。
何だかそれを僕は観たような記憶があるのですが、その対岸に向かえるように意図的に石が渓流に配置されている場所が有って、その写真だけは残っていましたね。。
そして進んで行きますと道は二俣になり、(桑ノ木の滝)の遊歩道としては左に進んで行く感じでしたね。。
それで調べますと、なんだか僕は観過ごしていて全く記憶には残っていませんが、相賀村八幡神社の傍にはカジアゲ峠から尾根の反対側の新宮市佐野へ抜けるルートの開通記念の石碑なんかが建っていたらしいですね。。
右の道はそのルートの道だったのかと想ったりもしましたが。。
かつてはこの道なのかなんだかが新宮市高田から三輪崎に通じる街道だったと言うような話も目にしましたので、この辺りにも歴史やら色々と有るんだなと想いましたね。。
それでまた真っ直ぐに整然と伸びるような植林の森だか林の中を進んで行きましたが。。
まあこれはこれで凛とした渋い雰囲気を醸し出していたんでしょうね。。
訪れた時は往復の道程で誰にも会わなかったですし、僕にはとても静謐な印象が残る渓谷となりましたね。。
連れは相変わらずにムクゲだか何だかの花なんかを写真に撮っていましたが、僕はそっちに関心が行かなかったのか、観た記憶が残っていないですね。。
こうした花やらは大々的に咲いていると言う事では無くて、ポツリと咲いていると言った感じだったとは想いましたがね。。
そして進んで行くと吊り橋が有りまして、桑ノ木谷を左岸から右岸に渡って行く事になりましたかね。。
遊歩道は800mだと言う事で、近すぎず遠すぎずの程々の距離なのかと想いましたが、途中にこうした吊り橋なんかが有るとアクセントになって良いとは想いましたね。。
しかし吊り橋は2011年の台風でも流されたと言う事で、付け替えたんでしょうが、その後を観たところ趣は変わっていなそうな感じがしたのですが。。
そうしたらなんだか今度は2017年10月の台風21号だかによる渓流の増水によって、また吊り橋は流されたり遊歩道は崩落や倒れ木で塞がれたりと同じような被害を受けたりしたらしいですね。。
それでその後の2018年3月に新しく長さ約13m幅約1.2mのコンクリートで強化された橋脚に板を敷いた橋に付け替えられて今に至っているらしいですが。。
そう考えますと、今は無き安全上お一人ずつ渡って下さいと標示されていたこの危うい吊り橋を渡れた事は感慨深く想えるところですかね。。
まあ橋はそんなに高さとかは無かったかと想いますから、そんなに怖いと言うような記憶は無いんですけれどね。。
それで橋を渡った先から観た桑ノ木谷の流れは、よりシダやら苔が覆う中を流れているように観えましたかね。。
どうも2009年に僕が訪れて以降の台風とかで、滝下の大岩とかは無くなったと言う事ですが、下流の渓谷には逆に岩が多くなったり倒れ木が散乱したりとかしたとか言う話で、遊歩道なんかは修繕されたらしいですが、今はこちらの景観がどうなっているのか気になるところでしたね。。
まあ台風なんかによる景観の変化は自然の創り出すものですからなんとも言えないとは想いましたがね。。
進んで行きますと、遊歩道は橋の手前までの道はシンプルで平坦な道と言った感じでしたが、橋を渡った先の道は特に先に行くほど登山道的な歪な道になっていくと言う感じでしたかね。。
しかし昔は沢山こちらに自生していた桑の木とかは、今はどれくらい生えてるんですかね?
まあ僕は訪れた時にはそんな事は考えませんでしたし、樹木の事も詳しくないので見当がつきませんけれどね。。
吊り橋から先の道では、連れは相変わらずに落ちてた花なんかの写真を撮ったりしていましたね。。
僕は蛇に出会したので、咄嗟に写真に納めようとしたりしましたね。。
しかし吊り橋を渡った先からの道程はさっさと滝が観える場所に着いてしまったと言う感じでして、殆んど記憶に残ってないんですよね。。
とりあえず僕が覚えているのは、この時は普段着と言った軽装でしたが、滝の前まで何の苦もなく辿り着けたと言う事だけみたいな感じなんですよね。。
滝直下の場所に辿り着く手前辺りは少し勾配がキツくなる感じで渓谷から高度を上げて進み、渓谷が向かって左にやや曲がった先に在る感じだったかとは想いましたが。。
どうも調べますと、滝に辿り着く前の辺りは木道となっていたりして、遊歩道はけっこう苔むしていてかなり滑りやすく、その辺りは特に注意が必要だったとか言われてるみたいですね。。
それで僕が訪れた以前からこの滝に辿り着く直前の木道辺りから先は、公式には立入禁止になったりする状況が有ったらしいですので、僕はその木道を通ったのか、或いは岩場を越えたのか、何処をどう通って滝に辿り着いたのかよく覚えていないのですが。。
とりあえず滝には楽に辿り着けたので、木道が通れたんじゃないかとは想いましたね。。
あとはなんだかこの頃は滝下の渓谷上に簡素な観瀑台みたいな物も有ったらしく、それを利用して滝を観たような気もしますが、それも覚えてはいないところなんですよね。。
まあこの辺りはもう少しで滝に辿り着くからと、そればかりでさっさと往復してしまったんだと想いますが、10年近く前の話ですから致し方無いところですかね。。
そんな事で(桑ノ木の滝)が観える処まで滝に辿り着いたんですが、なんだか滝は樹木や岩に周りを遮られた先に、奥ゆかしく落ちていると言った趣でしたね。。
どうもこの滝には滝の淵に住むアマゴが人に化身して、川中に鵜を入れないで欲しいと言ったという昔話があるらしく、アマゴは、サツキマスの河川残留型となりますが、その話とは。。
昔、桑の木の滝の近くの民家に夜になると、たびたび見知らぬ入浴客が来るようになり、帰るときには必ず家の主人に(桑の木の滝の下の淵へは、絶対鵜を入れないようにしてくれ)と、何度も頼んで帰った。
夜毎に現れて同じ事を言って帰るので、この家の主人が不思議に想い、試しに一度鵜を淵に入れたところ、
大変大きなあめのうお(アマゴの異称)が現れ、鵜と激しい闘いとなり、最後には鵜が勝って、あめのうおを生け捕ることに成功した。。
そうしたらその後、たびたび通ってきた入浴客が全く来なくなったので、その入浴客はあめのうおの化身であったんだろう。。
と言った話らしいですが。。
僕としてはこの滝に関しては、風景を官能すると言った感じでして、あまり昔話とかは気にならなかったですね。
それで岩を伝いながら滝に近付いて行きましたが。。
この時は水量が少な目だったからなのか、其れなりに滑りなんかは注意したんでしょうが、やはりそんなに苦もなく滝に近付いて行ける感じでしたね。。
どうも調べますと、足場が悪く木や岩盤の邪魔も有り滝を正面から観たり全体を観るには川に入らなければ無理だとか言った話も目にしましたが、この時はそんな事も無くて、比較的簡単に滝の直下辺りに向かえた感じでしたけれどね。。
やはり前述したその後の台風なんかで岩やら消失してからは足場が無くなって近付き難いみたいですかね。。
水害時の強烈な水の流れなんかで、滝そのものは変化が観られなくても、滝の下流の地形の変化は著しいんでしょうね。。
まあそんなんで、この時はヒョイヒョイと岩を越えて滝に近付いて行きましたね。。
それでこの時は岩を越えてどんどん滝に近付いて行ったんでしょうが。。
どうも色々と調べますと、水量が多い時は幅広の滝いっぱいに水が落ちて轟音を伴う滝壺からの飛沫が凄くてびしょ濡れになり近付くのもままならないとか。。
それで下がろうにも滝近くで谷は向かって左に屈曲しているので下がりようがないとかの話も目にしましたが、とりあえずこの時は水量が少な目な為かそんな事は無くて、やはり楽に滝に近付けた印象ですね。。
どうもこの辺りの滝に辿り着く直前の道程は、写真はしっかりと残ってますが、やはり記憶がおぼろ気なんですよね。。
まあしかし滝の事はしっかりと覚えてはいまして。。
こうして観ますと、滝の手前で両岸から迫る岩壁が、開いたゲートの支柱みたいにも観えまして。。
なんとも(桑ノ木の滝)は、その奥の暗がりに落ちる滝に観えて、やはり奥ゆかしいところでしたかね。。
そして滝の間近まで近付いて行ったんでしょうが。。
確かに周りに樹木やら岩やらが覆って全体を観難いところは有ったんでしょうね。。
台風後には岩やらが消失してこの頃より開放的な空間になったと言う事ですが、薄暗い中で処々に木洩れ日が射し込むと言われるこの滝の風景は、そうした観え難さが良かったのかとは想い、岩とかが無くなったなら残念でしたかね。。
まあしかし今の風景を観て無いし、今は今で好評そうなのでなんとも言えませんけれどね。。
そう言えば、この時は岩サツキの時期では無いとは言いましたが、夏にはこの辺りにひっそりとイワタバコなんかが咲くみたいな話も目にしました。。
しかしそんな事は無頓着で気にもしてなかったし、全く観た記憶は残って無いですね。。
そしてなんだか滝がよく観える正面の程好い岩場に辿り着着ましたね。。
滝が観える場所に辿り着いた時は右岸でしたが、この岩場は左岸になるのかと想えますかね。。
どうもこの頃は梯子や鎖が設置されていたり、例の観瀑台を伴う橋みたいなのも有ってここまで来れるようになっていたのかも知れませんが。。
しかしこの辺りの岩場とかも台風時によって地形が変化したとしたら、相当な増水の力だったんでしょうね。。
それで目の前で(桑ノ木の滝)を暫し観賞しましたが。。
花崗斑岩からなる柱状節理が観られる岩壁の狭窄した場所に在る滝壺は深そうで、
午後の曇りの天候のせいも有るのか薄暗く濃紺の色と言った感じで、
美しくもあるのでしょうが、この時は不気味な雰囲気にも感じましたかね。。
水が落ちる滝壁の真ん中辺りの亀裂は、なんだか文字が刻まれているような錯覚も起こしましたね。。
しかしこの滝は色々とウェブなんかを拝見しますと、やたらと訪れた人達からの評判が良さそうですね。。
曰く。。
100選に選ばれるのも納得の想像以上に素晴らしい滝。。
那智の滝よりこっちの方が断然にいい。。
今まで観た滝の中でも最高の滝だ。。
滝は大きさではないと分からせてくれる素晴らしい滝。。
観た瞬間に心を奪われた。。
周りの雰囲気も厳かで最高。。
ほんとに美しいお気に入りの滝。。
100選滝にしてはかなり地味かもしれないが、こういう滝の方が好み。。
レースのカーテンのように落ちる様がとても美しい。。
実物を観なければその素晴らしさは分からない。。
ひっそりした杉木立の中、苔むした岩場から落下するその姿は雄々しくそして神秘的。。
均整の取れた美しい姿も含めて、100選に選ばれる価値は十分にある。。
等々、枚挙に暇がないと言った賛辞の言葉が多数を占めているような気がしましたね。。
観光ガイドなんかのコメントでもやたらと評価が高いみたいですし、一緒に訪れた連れも今まで観た滝で1番素敵だとか言い出してましたからね。。
確かに僕もなんとも言えない美しさが有る滝だとは想いましたし、小型の100選滝ではトップクラスの人気が有る滝なんでしょうね。。
それでまた暫く滝を観ていたのですが。。
滝幅8mだと言う幅広の滝の落ち口は横一直線な感じで落下する水の両側も縦にピシッと岩が縁石のように囲っていて、RPGゲームに出てきそうな風景だとか言われたり人工的な感じも一瞬しますが。。
実はやたらと複雑な落下を経て深い滝壺に水を落としているんでしょうね。。
滝の向かって特に左側の下部は段々状の岩となっていて流れは複雑で、滝の中心となる上部から中部の水の落下をより奥まった雰囲気にさせているみたいだと。。
そして最手前の向かって右側からは別の細い流れみたいなのが中心に向けてクロスするように勢いよく空中落下しているように観えたと。。
それでなんとも言えない奥に延びる立体感を感じるところで有りましたが。。
流れの部分の岩だけは水和するためか黒くて、複雑に跳ねて落下する水は白く観えて、そのせいで岩の黒と水の白さの対比が鮮明に浮かんだりすると。。
そしてここ以上に木洩れ日が似合う滝はそうそうないだろうと言われているように、岩やら緑が覆う空間の為に100%明るい空間には成らず処々に日が射し込む為か、滝にやはりなんとも言えない陰と陽の表情を与えていると。。
そんなんで誰とも会わなかったせいか、やはり凛とした神秘的な雰囲気もして、僕もいい感じだと想いながら来た道を引き返して行きましたね。。
そんなんでまた吊り橋なんかを通って帰って行ったのですが。。
滝の近くに有った滝の説明看板には(美しい日本の自然を象徴するこの名瀑がいつまでも汚れることなく子孫に継承されるよう祈念いたします)と書かれていたそうですから、選考した意図通りの良い滝を100選滝に選んだって事だったんでしょうね。。
まあでも僕が訪れたのはこの時だけですし、水量や季節によってこの滝は様々な姿を観せるのでしょうね。。
どうも前述通りこの滝は水量が有る時は迫力が有るそうで、またまたウェブなんかを閲覧しますと。。
水量が多い時に川幅いっぱいに水が落ちる様子は豪快。。
21mの落差も幅広で水が流れているせいか小さく感じないし、というか迫力あって力強い印象。。
スケールこそ大きくないが数字以上の迫力を感じる。。
水量が十分にあって見応え抜群。。
等々と言ったこの滝に迫力を感じた感想も多いので、今度訪れる事が有るなら、地形の変化も知りたいですが、水量が多い時に訪れたいとも想いましたね。。
そしてこの時は、(桑ノ木の滝)を観た後に前述の計画通りに熊野速玉大社に訪れて、その後に(那智の滝)を訪れてと言う感じだったんですが。。
その後に那智勝浦辺りの回転寿司かなんかによってゆっくり寿司を食べたりしてたら夜の8時過ぎくらいになってしまい、帰りに名古屋市辺りを通過したのが日付が変わる時間くらいとなり、翌日は仕事なのに厳しかったところでしたね。。
この頃は紀勢自動車道も紀勢大内山ICくらいまでしか開通していなかったですしね。。
どちらにしてもこのエリアに行くなら大阪や神戸辺りに行く方が遥かに楽かなとも想いながら帰ったところでしたね。。
そうした中で、この時の旅行では沢山の滝を観まして、その中で最小規模となる(桑ノ木の滝)となり、今となっては朧気な記憶のところも有りますが、やはりそのなんとも言えない美しい風景は印象に残ったところと成りましたね。。
最後に。。
この(桑ノ木の滝)の滝に関しましては、100選滝の中でも小粒で地味な部類ながらも、訪れた人々にはやたらと人気が有る滝なので、お勧めの滝だと言う事なんでしょうね。。
そんなんで滝愛好家の人達からどちらかと言うと普段余り滝を観ない人達まで、訪れた人達にはとても好評そうな(桑ノ木の滝)ですが。。
しかし何故に地味そうなこの滝はそんなにまで人々から賛辞を送られるのかと想い僕なりに考えましたね。。
それでとりあえず滝以外の要素としては。。
急峻で険しい紀伊半島南部の渓谷において、苔や緑に覆われた木洩れ日の中を歩くと言う約800mと言う自然に分け入った感する程好い距離の滝迄の道程は、滝に着く直前辺り以外は遊歩道にしても渓谷にしても平坦で穏やかで、そうした深山幽谷の景観を観賞するには肉体的にも、それを伴った精神的にもストレスがかからないと言った事が有るのかと。。
それでまたウェブなんかを閲覧しますと。。
ジブリに出て来そうな道だ。。
森全体が日本庭園のようである。 。
森がマイナスイオンで覆われ涼しい。 。
自然を限り無く残した遊歩道からの清流の眺めも素晴らしい。。
杉林の中をどこまでも進む苔むした道は本当に絵画のような風景だ。。
杉林の木漏れ日の差す遊歩道は夏でも暑さを感じ難い。。
等々の声が聞かれ。。
やはり穏やかな自然景観を伴う遊歩道の存在も人気に一役かっていると言ったところかと。。
紀伊山地の深い山間の中と言うだけで雰囲気は有りますし、遠方からのドライブなんかは疲れるかも知れませんが、歩きはまた別物で。。
通常渓谷道なんかは高低差が有りがちですが、そうした深い渓谷や森林の観賞を平坦な道程でストレスなく楽しめる遊歩道だと言うのは効いているのかとは想いましたね。。
それでまたそんな平坦な道程ですが、滝は手前辺りの岩場を越えた向かって左の方向に落ちている為に、辿り着くギリギリまでその姿を観せず、その狭まった滝前空間も殊更に秘境感を煽るのかも知れません。。
曲がった先に初めて観える滝風景も、光が処々差す中で樹木や苔むした岩に遮られながら全容を現さず、好奇心を伴って神秘性や厳かさや美しさに拍車をかけるのかも知れないと。。
こうした平坦な地形の先に落ちる滝は、大概がかなり手前から滝が観えたりするものかと想いますが、そう言う事でこの滝は直前まで姿を現さないと言うのも効いているのかとは想いましたね。。
そしてその曲がった先に初めて観せる全容が観えない滝の風景自体がいいものなんでしょうし、岩サツキなんかが咲いていれば尚更だったんでしょうからね。。
それで滝直下からの風景はどうかと言うと。。
滝壺は蒼々と深いですし、黒い滝壁を白い飛沫となって複雑に落ちる水の流れは映えるでしょうし、水量なんかによって滝の観せる表情も様々だと。。
滝前は鬱蒼とした風景の中に分け入ると言った感じになりましたが、上空の開けた空間から光が射し込んで滝の処々にスポットを当てる感じで、滝の前に立っても影となる部分が有り、奥に立体的な滝の形も有って全容が均一にハッキリとはしないと。。
こうして考えて来ますと、その鮮明にならないもどかしい姿が魅力なのかとか想ったりしましたが。。
なんだか言葉の真意は分かりませんが、詫び錆びとはこの事なのかと想えてくる節も有りましたね。。
まあでもこうした印象やらは個々で千差万別で、実際は全くの的外れな考えとも想えますし。。
美しく観えるものが何故に美しく観えるのかなんて説明も解明も出来ないと言った都合の良い言葉をここでは使っておくところですかね。。
しかし高田川には約20くらいの滝が在って、その中で(桑ノ木の滝)が川を代表する滝だと言うのは良いとして。。
和歌山県では(桑ノ木の滝)の他に(那智の滝)(八草の滝)と3滝が100選滝に選ばれていて、100選滝の選考は行政主導で選考委員は永瀬嘉平さん以外は滝素人の集まりだったと言いますが。。
何故に通好みするようなこの滝が、滝王国の1エリアとも想える和歌山県の100選滝の1滝として選ばれたのかと。。
その永瀬嘉平さんが推したと言ったらそれまでですから、それを除外して考えた場合。。
まず県の枠で考えますと、全国トップレベルの知名度や人気を誇ると想える(那智の滝)が選ばれる事は必須であり、そうなると同じような高さや大きさと言った事が魅力の大瀑を選んでも仕方無いと言った考えが有ったのかと。。
そして那智四十八滝やら同じ那智勝浦町と言う枠では2滝は選べないから、類似する大きさより美しさと言った(陰陽の滝)とかも在りますが、他の市町村から他の滝は選ぶと。。
因みに日本の滝100選で同じ市町村から2滝が選ばれている地域は、栃木県日光市の(華厳の滝)と(霧降の滝)、佐賀県唐津市の(見帰りの滝)と(観音の滝)となり、現在は妙高市となり同市内となる(苗名滝)と(惣滝)は100選滝が選定された1990年の合併前の時点では妙高高原町と妙高村に分かれていたので別とすると。。
それで紀伊半島の西側一帯を占める和歌山県ですが、県北はやはり滝は少なく、
少なくとも人目に触れるような滝で候補になりそうなのは、有田川町の(次の滝)とかも在りますが、(那智の滝)と比較して滝名を付けたような滝では選ぶのも微妙だとか想いましたね。。
それで選ぶなら県南のエリアとなりますが、こっちエリアの中心的な都市の1つである新宮市が利権で1滝もってこようにも、合併前の段階だと適当な滝は無さそうだし、熊野古道関連の観光の方に意識は行ってたのかも知れませんしね。。
そうなると旧熊野町以外だと古座川町辺りに在りそうですが。。
古座川町だと(ハリオの滝)を伴う(植魚の滝)辺りとか比較的に美しさで観せる滝が在りますが渋すぎて微妙だし、三重県熊野市の(布引の滝)と同名の(布引の滝)とかも在りますが他と比べたら迫力とかは微妙だし、渓流瀑の(滝の拝)とか在りますが、車道とかに囲まれてて環境は微妙だし、
この辺りの観光は古座川の奇岩とかの方面なのかも知れないと。。
それなら田辺市辺りのエリアはどうかと言うと、百間山渓谷やら奇絶峡やら色々と在るかも知れませんが、他に比べると微妙であるし、いまいち候補となる滝は少ないと。。
それでやはり他の100選滝は旧熊野町のエリア辺りから選ぶ感じになるとして、その中で目を引きそうな滝や大瀑とかは前述の(鼻白の滝)や(宝龍滝)とかになって、ここは(那智の滝)が在るしで類似するような滝では無くて、小振りで美しく観せる(桑ノ木の滝)が選ばれたのかとは一瞬想いましたね。。
まあでも(鼻白の滝)にしても(宝龍滝)にしても段瀑だし(那智の滝)とは違う印象を与えるから選んでも良かったのかもとも想いますし。。
何にしても誰がどう推してこの(桑ノ木の滝)が選ばれたかなんて全く藪の中で、良い選択が出来たと言う事で良いんでしょうね。。
そして県の枠とかじゃ無くて、この紀伊半島南部のエリアには沢山の良い滝が在りそうで、考えるとそのエリアを占めるのは、和歌山県の他に三重県と奈良県の3県となりますが。。
この3県では奈良県と三重県の方に(岩屋谷雄滝)やら(風折の滝)やら(小木森滝)やらその他色々と秘めた大瀑や良滝が多そうで、これからも何とか訪れられたらと想っていますね。。
しかしそう考えるとこの紀伊半島南部のエリアで、他に選んでもよさそうな西牟婁郡白浜町の(八草の滝)が、南紀白浜の利権でも働いたのか何なのか選ばれたのが微妙な感じですが、これはまたその項で考える事にすると。。
まあそんなところで、なんだか派手な(那智の滝)の観光エリアの裏にひっそりと落ちている様にも感じられる(桑ノ木の滝)は、それはそれは美しく神秘的な滝でありお勧めで。。
比較的にマイナーな滝を美化する傾向も働くのか、今は景観がどうなっているか分かりませんが、僕としてもその観え隠れする姿が朧気な記憶とシンクロして奥ゆかしくも美しい想い出として神秘的に残っていると言う事で終わらせて頂きます。。
和歌山県新宮市相賀
問い合わせ 新宮市観光協会
https://www.shinguu.jp/spots/detail/A0007
駐車場
桑ノ木橋付近の路肩か、細い橋を無理に渡った先でキツく右折した先の空地。。