僕の住まいの近郊である都内に在る滝で何か特別に良いなと想える滝があるとしたらこの「金剛の滝」になりますね。
「金剛の滝」は八王子市とあきる野市の境に位置する高505mの今熊山の北側を流れる逆川の源流に落ちていますね。
この滝を特別なものにしているのは滝と一体を成している洞窟の存在でありまして僕が訪れるきっかけとなったのは2009年に講談社から発売されました「東京洞窟厳選100」と言う本を購入したからなんですよ。。
「金剛の滝」は東京都立秋川丘陵自然公園内にあり呼ばわり山の信仰が江戸時代より続き修験場でもあった霊山である今熊山の谷に流れ落ちていると言います。。
行方不明者や無くし物を取り戻したい時に山頂で( ~を出してくりょーやーい! )と叫べば御利益があると伝承される呼ばわり山の山頂には今熊神社本社が建てられていると言う。。
今熊山の中核をなす今熊神社ですが東山麓に在る遥拝殿には駐車場もありここから直登する参道コースを本社に向かえば急峻ですが40分くらいで登頂出来る軽い山登りと言えるのではないでしょうかね。。
頂上から関東平野を俯瞰できる眺望も良いこの今熊山は沢山の登山口やコースを擁した都心近郊の人気ハイキングスポットらしいですね。。
今熊山のハイキングとして中核をなすのは新小峰トンネルを越えたあきる野市側の小峰ビジターセンターを擁する東京都立小峰公園かもしれずここからのハイキングルートもありますな。
こちらも駐車場有りでハイキングマップや自然解説の展示などもしてるらしいですね。
他に茅葺の山門と大銀杏が観処の広徳寺からのルートもありここも駐車場がありますな。。
この辺りがメインの登山口となり交通機関を使うなら武蔵五日市駅からバスか2~3kmくらい歩き阿伎留神社などを巡りながら向かえばと言う感じですね。。
なんだか色々なルートが楽しめる山みたいですね。。
しかし小峰トンネルを境に八王子市とあきる野市が混ざる山ですな。。
調べると何やら神々しさが伺える山と言える中でとりあず「金剛の滝」を目指す僕が最短ルートとして選択するのは風情ある里山において異彩を放つ超高圧変電所である新多摩変電所からのルートとなります。
こちらは都道32号の秋川街道を八王子方面から向かって新小峰トンネル手前の今熊神社入り口の看板が有るY字路を左折し少し進むと左が今熊神社で右が新多摩変電所のY字路になるのでここを右に進みますね。。
真っ直ぐに進めばすぐに新多摩変電所が見え外周路となるりますが右には進まずに車止めの有る直進のスペースに車を駐車する感じですな。。
ここは青空駐車容認の非正規駐車場と言えますね。。
車を停めたら車止めの先の車道を歩いて行きますね。。
新多摩変電所の外周路のこっち側はあまり使われないのか苔が生えて緑色な趣。。
登坂を進んで行きますね。。
歩いていると変電所からそこまで大きくは無いですがバチバチと不穏な音が聞こえてきますね。。
一望出来る場所も有るらしいですしその手のマニアの方には良い場所と想われますね。。
巨大鉄塔が建ち並ぶ光景は自然派の方には不評でしょうが「金剛の滝」を訪れた時は谷底に向かうせいか変電所以降は僕には見えませんでしたね。。
マムシ注意の看板やらも目に付きますが渓谷には貴重なサンショウウオやカエルも棲息するらしいし今や山なら熊出没も定説でしょう。。大丈夫大丈夫。。
5分かそこら歩いていると左側に赤いホース格納箱が目印と言える場所がありましてすき間のある樹林の奥にハイキングコースの入り口がありますね。。
このまま道路を真っ直ぐに進んだ突き当たりにもルートが有り滝まで行けるそうですが僕はこちらのコースしか行ってませんね。。
もし次に訪れる機会が有れば真っ直ぐルートにしようかと想いましたよ。。
いやしかし。。滝しか行ってないので今熊神社の参拝が先ですかね。。
元々は頂上に神社が在ったらしいですが2度の火災で今の麓の 遥拝殿に神社の大体を移し山頂に本社を残してるらしいですね。。
コンクリートなのはもう火災は懲り懲りと言う事でしょうかね?
それとミツバツツジが咲き誇る名所らしいですから時期は春先に来ましょうかね。。
そうこう考えて進みます。。
赤いホース格納箱の左を進めば入り口ですがここには他にもコースの入り口が有るらしい。。
僕はすぐにこの場所の向かって左奥に目的の入り口が見付かったせいか他は気が付かなかったですが。。いやはや奥が深いですなあ。。
なんでも今熊山からは八王子八峰を縦走も出来るみたいですし
日本山岳耐久レースなどもやっているらしく多様なコースがあるんですねぇ。。
耐久レースなどは修験場としての名残なのかとも想ってしまいましたよ。。
それでは進んで行きますがこの看板は前は無かったかと。。
今熊山のハイキングコースには比較的に確りとした木製の道標が散見されましたからこのシート看板はいつまで有るか分かりませんね。。
ここから登山道という趣になり最初に短く下り橋を渡ってから程々に登りそして少し降ると「金剛の滝」が落ちる谷底へ向かう道が右に現れますね。。
こちらへ進みます。
確かにそれなりに急降下する道であり前半は九十九折りの降りですね。。
木段は弛くなってはいますが慎重に進めば何とかなるとは想いますね。。
最後は真っ直ぐな降りになり底の大地に降り立ちますね。。
そして「金剛の滝 0.2km」の道標が左に向いているから進みますね。。
降り立った先は0.2kmで滝は在るのかと想える場所ですかね。。
草ぼうぼうの広場と言う感じで右奥には幅広の砂防堰堤が在り道は明瞭では無い感じですが広場を対角に横切る感じの方向にザレた枯れ沢が在るかと想いますね。。
僕は秋冬にしか来ていないが夏場は草が繁殖して更に不明瞭になる場所ですね。。
枯れ沢を進んで行きますね。。
大雨などの時には谷底ですから増水の危険が指摘されますがここは余程の事がないと洪水にはならなそうだとか考えてしまいましたよ。。
少し歩けば左にカーヴしてゴルジュ帯の景観となりますね。。
なにかここからの狭範囲のスポットだけやたら渓谷と言う雰囲気になりましたよ。。
この辺りから始まりもう少し先辺りの間で「金剛の滝」を流れる水は伏流して地上から姿を消して行く感じですかね。。
先には木橋が横切るのが観えて遡上して行くと伏流する前の清流が現れて幽玄な峡谷と言う景観になりますな。。
いわゆる雌滝と言うのはけっこうな手前から観えてくる感じですね。。
晴れたら光も射すが何か薄暗く修験者の修行の場とされていた
厳かさが漂いますねぇ。。
公称4mの雌滝にエッサカホッサカ近付いて行きますな。。
沢には岩魚が泳いでいる。。
放流されていると言う話はどうなんですかね。。
道標にはあと0.2kmと表示されていましたが中身が濃くて長く感じますね。。
落ちても大事に至る事はなさそうな気はしますが滑らないように慎重に進みます。。
着きましたこれこれ。。雌滝と雄滝を繋ぐ江戸時代の修験者が掘り抜いたトンネルである滝階段貫通洞。。
トップの画像は1度目に来た時のものですが流木は流石に無くなっていますな。。
いやはやこんなに畏まった気持ちでトンネルに入ろうとするのは生まれて初めてですわ。。ここに来てみたかった。。
初訪の時はそんな気持ちでしたわ。。
江戸時代の修験道者が掘ったトンネルは5m程の行きは登り坂。。
内部は現代の人が取り付けた鎖が有るから確りと掴まり登りますね。。
床も階段状に削ったのかな。。
想いを噛み締めて通り抜けますよ。。
この約5mは江戸~明治~大正~昭和~平成 と5つの時代を巡りワープする気持ちでしたね。。
穴はゴツゴツだけれど一人が通るにはそんなに苦しくありませんでしたね。。
キュポン!! 滝階段貫通洞を通り抜けて聖地へ足を踏み入れましたわ。。
どれどれ。。おぉ。。これはこれは。。
回りを崖に囲まれた陰影にとんだ美しい箱庭的な風景ですな。。
滝壺が過半数を占めて一本の細いナメ滝が落ちていますね。。
ここは修験場と言う話を聞きますがこの滝の角度では滝行は難しそうだが。。どうなんですかね?
峡谷ゆえに流木が多いのでしょうか朽ちた木片が点在していますね。。
なにかとても落ち着いた神聖な雰囲気に浸れますわ。。
滝の向かいには岩を削った階段が延びている。。
これは誰が造ったの?
登ると通行止めになったルートの梯子が延びていますね。。。
僕の私見としてはこのような場所は通過点とするよりも行き止まりに在った方が相応しいと想うのでこの道は要らないかと想いましたね。。危ない道らしいですしね。。
この石段は上からの眺めを観る為にすればちょうど良いし景観を彩る石段と想いましたよ。。
降りて流れを観るとこの箱庭のこの空間の下にまた段をなして水は落ちている。。
この滝は雄滝と雌滝になっていますが実際にはこの段を入れて(金剛の滝)と言う3段瀑かと。。
そしてこの滝はその段瀑のブラインドとなる上段との間をトンネルで繋ぐと言うひっそりとしかし稀にみる特別な滝と言えますかと。。
これに近いとしたら今は世間から捨てられた岐阜県のニコイ大滝辺りが類似しますがそちらは廃道と言えますな。。
そして滝の横には(金剛の滝)の名の由来となった不動明王が鎮座していますね。。
下に賽銭箱が在ったのに目立たなかったので入れ忘れたのは後悔していますわ。。
回りは崖に囲まれていますが、上から一筋の滝となって細く落ちる場所は冬に行った時は可愛いい氷柱が出来てましたわ。。
そんなこんなでこの狭い空間にたくさん観処が在りますな。。
ここは人生についてじっくりと考え直すにはとても良い場所である。。
そう想ってゆっくりと考えようと想いましたが暗くなってきて寂しいので5分くらい眺めて帰る事にしましたね。。
振り返ると下界が良く観えてなかなかの景観です。。
そしてワープするトンネルが雌滝の下の流れを映しています。。
なんだか良かったなあ。。そう想いながら来た道を引き返し車に着く頃には辺りは薄暗くなり何だか霊山と考えると。。寒い雰囲気に包まれて現場を後にしましたね。。
最後に。。
この滝は近郊在住の方なら気軽にハイキング等を楽しみがてら訪れるには良い場所かと想われます。。
調べると今熊神社などは心霊スポット的な扱いを受けていて成る程と想いましたが厳かなだけだと想いますよ。。
そりゃ夜になれば山などは何処も恐く感じますからね。。大丈夫大丈夫。。
しかし。。蛇足で気になったのは都道32号を挟んで向こう側に在る旧小峰トンネルの存在。。
詳細は書きませんがここは昔々に心霊スポットとして車止めから峠の上のトンネルまで歩いた場所ですな。。
懐かしい懐かしい。。
この件は全くのどうでもよい滝観光とは関係の無い話ですから気にしないで下さいね。。
まあ。。昼間に行けば高低差は途中に有りますが深い渓谷の雰囲気を程よい歩きで味わえる良い場所かと想われますので。。時間が有れば訪れてみて下さいと言う事で終わりたいと想います。。
金剛の滝 東京都八王子市上川町
小峰ビジターセンター あきる野市留原284-1
電話 042-595-0400
駐車場 小峰公園 9:00~16:30
今熊神社駐車場
広徳寺駐車場
新多摩変電所の外周路の青空駐車
すべて無料
最寄り駅 JR五日市線 武蔵五日市駅 徒歩25分
バスも有ります